No. 4 SHOPPING MALL / tofubeats

 “水星”という10年代のポップ・ミュージックを代表する名曲を発表した頃か
ら、「インターネット・カルチャーの代表的存在」と語られるようになった
tofubeats。当初は90年代を彷彿とさせるポップスと、現在進行系のダンス・ミュ
ージックをミックスするような存在でしたが、この楽曲以降は本人の心情に変化
が訪れています。
 “何がリアル 何がリアルじゃないか”、”何かあるようで何もないな”というライ
ンと共に、インターネットがこれだけ広がったのにも関わらず、今なおあらゆる
文化が東京から発信されている状況や、もはや真実が重要ではなくなった「Post
Truth」という時代について、郊外の象徴であるショッピングモールをモチーフに
歌い上げています。地方の郊外で育ち、学生時代に友達と一緒によく近所のイオ
ンモールに遊びに行っていた身として、この曲はかなり強烈でした。
 先日発売された新作、”FANTASY CLUB”も、Post Truth以降の「正しさが重要
ではなくなった」時代に対する問題意識と、その中で生活を続けるということを
鳴らした楽曲が揃った一枚です。