No. 25 True Colors / Zedd

"Let me show you my true colors, it ain't no rainbow./
虹色では表現できない、私の真実の色を見せてあげる。"

https://www.youtube.com/watch?v=QYGdLMf9hzM

「容量の制限がなくなり、選択肢が増え、時間がなくなった」時代において、
「アルバム」という概念はもはや時代遅れのものであるといえるのかもしれません。

約1時間もの間、ミュージシャンの制作物に向き合うという行為は、
ある意味では芸術作品とじっくり向き合う時間へと変わったように感じます。

特に消費が前提とも言えるEDMにおいては、アルバムに価値を見出そうとするDJはそれだけで貴重な存在であり、
ただアルバムを出すだけでは聴いてもらえない現状に対して、様々な施策で戦おうとしています。

2015年、EDM界のトップDJの一人であるZeddが、2ndアルバムの"True Colors"を発表する際、
彼は全米から収録曲数と同じ11箇所を選び、それぞれの場所で宝探しゲームを実施。
ゲームに勝った50名を特設会場に招待し、各地で1曲だけの限定試聴会(超金かかってます)を開催しました。

その様子は特設Webサイト及びYouTubeで順次公開され、最後の11箇所目として選ばれたニューヨークでは、
なんと試聴会をEmpire State Buildingで開催。
その際、ビルのライティングを音源と同期させ、その模様をミュージック・ビデオとして公開しました。

「アルバムの1曲ずつにしっかりと目を向けてもらう」ためのこの施策。「ここまでやらないといけないのか..」とも
感じますが、ストリーミングの時代だからこそ、このようなアプローチが生まれるのかもしれません。