No.33 Atlantis to Interzone / Klaxons

Atlantis to Interzone / Klaxons (2007年)
https://www.youtube.com/watch?v=XX3w_PlGReU

クラブ・カルチャーというのは、基本的にはDJが60分なり90分なり180分なりのロングセットを組んでプレイして、
その長時間の起伏が生み出すグルーヴを楽しむことが核です。
グルーヴを生み出すために、曲と曲をシームレスに繋げるわけです。

昔、テクノの大御所であるDerrick Mayのセットを見たことがあるのですが、
そこで披露されたのは4時間にも及ぶロングセット。それでも一切ダレることなく、3時間が経過した頃には
観客が奇声を出す程度にはフロアが最高潮になっておりました。

とはいえ、そういったテクノのロングセットに対して、
「もういい加減に似たような曲のロングセットは飽きた!!もっと刺激が欲しい!!!」
と考える人がいても不思議ではありません。

ダンス・ミュージックの歴史を辿ると、定期的にそういったムーブメントが発生しています。
(レイヴ、ビッグ・ビート、グライム、ダブステップ、EDM、...)
刺激を求める→飽きる→新たな刺激を求める→また飽きるのループで今に至るわけです。

2000年代後半にイギリスで生まれた「ニューレイヴ」というムーブメントもその一つです。
この時期の音楽は評論家からはほぼ抹殺されていますが、個人的には深く思い入れのあるムーブメントです。

「ニューレイヴ」を一言で言うと、
「もういっそロックでもいい。演奏が下手でもいいし、ブツ切りでもいい。もっとブッ飛びたい!!!!」
というヤケクソ感です。

旧来のダンス・ミュージックにかなり無理やりロックの凶暴性をブチ込んだそのサウンドには、
実はパンクに通ずるものがあるような気がしています。やはりSex PistolsThe Clashの国なので。

当時のUKのクラブでは、DJがひたすらニューレイヴ系の曲を流し倒し、
蛍光カラーの衣装を身に纏った人々が踊り倒すという最高にクレイジーな光景が広がっていたそうです。
そんな時代を象徴するロックバンドがKlaxons
彼らの代表曲である"Atlantis to Interzone"のPVを見れば、「ニューレイヴ」が一発で分かります。

ちなみにKlaxonsは当然のように10年代前半に解散しております。