No. 35 Alone / Marshmello

Alone / Marshmello (2016)
https://www.youtube.com/watch?v=YnwsMEabmSo

最近のEDMの流れを追っていると、従来の「みんなで一緒にPartyしようぜ」的なノリが、
徐々に「個々の感情を刺激する」といった方向に、変わりつつあるように感じます。

元々、EDMにはPLUR(Positive, Love, Unite, Respect)という重要な概念があるのですが、
「多様性」という言葉に現実味が無くなってきた昨今では、あまりリアリティを感じられなくなってきているのかもしれません。

昨年、Top 100 DJsで最大の上げ幅でチャートインしたMarshmelloも、
そんな時代を象徴するDJ/プロデューサーの一人です。

Skrillexの流れを引き継ぐ、強靭なBass系サウンドと、キャンディのようなカラフルでポップな音色、
そしてマシュマロの格好をした本人の可愛らしいキャラクターが彼の魅力です。
しかし、彼の本当の魅力は、どこか寂しさを感じさせるエモーショナルなメロディにあります。

彼が昨年生み出したアンセムの一つ、"Alone"ではこんなフレーズが断片的な歌声と共に繰り返されます。

"I'm so alone. Nothing feel like home.
I'm so alone. Trying to find my way back home to you."
(ひどく寂しい気分だ。自宅に篭っていたいよ。凄く寂しいよ。どうにか君のところに戻れないか考えてる。)

パリピの代名詞とも言えたEDMもまた、変化の中にあるのではないでしょうか。