No. 4 SHOPPING MALL / tofubeats

 “水星”という10年代のポップ・ミュージックを代表する名曲を発表した頃か
ら、「インターネット・カルチャーの代表的存在」と語られるようになった
tofubeats。当初は90年代を彷彿とさせるポップスと、現在進行系のダンス・ミュ
ージックをミックスするような存在でしたが、この楽曲以降は本人の心情に変化
が訪れています。
 “何がリアル 何がリアルじゃないか”、”何かあるようで何もないな”というライ
ンと共に、インターネットがこれだけ広がったのにも関わらず、今なおあらゆる
文化が東京から発信されている状況や、もはや真実が重要ではなくなった「Post
Truth」という時代について、郊外の象徴であるショッピングモールをモチーフに
歌い上げています。地方の郊外で育ち、学生時代に友達と一緒によく近所のイオ
ンモールに遊びに行っていた身として、この曲はかなり強烈でした。
 先日発売された新作、”FANTASY CLUB”も、Post Truth以降の「正しさが重要
ではなくなった」時代に対する問題意識と、その中で生活を続けるということを
鳴らした楽曲が揃った一枚です。

No. 3 ONCE AGAIN / RHYMESTER

 会社に入って初めての先輩方とのカラオケ。その中で一曲目を任され、投入した曲がこれでした。
 日本語ヒップホップ界のベテラン中のベテランであるRHYMESTERが、活動休止を経て再始動した際に発表した楽曲です。「再始動=上手くいかない現状を憂いながらも、決意と共に前へ進む」と位置づけ、高らかに鳴り響くホーンと共に力強く言葉を放つこの楽曲は、今では日本語ラップ界の名曲の一つ。凄まじく緊張していたのですが、これを歌うことで緊張を解くことが出来ました。

No. 2 Sad Machine / Porter Robinson

 “パリピ”や”ウェイ系”などのイメージが先行し、誤解を受けることも多いEDM(Electric Dance Music)。確かにそのような楽曲も多いですし、僕も好きなのですが、一方で、内省的な世界を描こうとするアーティストも少なくありません。
 先日、今年のULTRA JAPANに出演することが発表されたPorter Robinsonもその一人です。2014年に彼が発表したこの曲は、「ひとりぼっちのロボットの女性が、誰もいない世界を歩き続ける」という物語をEDMという手段で描いた1曲です。
 丁寧に、少しずつ重ねてきた感情が、ドロップと共に一気に決壊する瞬間の美しさには、何度聴いても心を動かされます。

No. 1 1000のバイオリン / THE BLUE HEARTS

 "ヒマラヤほどの消しゴムひとつ 楽しいことをたくさんしたい ミサイルほどのペンを片手に 面白いことをたくさんしたい"という歌詞が印象的なこの曲。僕はよくお風呂に入りながら歌を歌うのですが、昨晩何気なく歌っていたのがこの曲でした。解釈は色々ありますが、本配属を前に抱いていた期待と不安が膨れ上がった僕にとって、この曲を歌うことで、改めて就職活動の時や入社時の気持ちを思い出して、気合を入れ直すことが出来ました。